【開催レポート】よく生きるために、死を考える 〜オランダ安楽死取材報告会〜

【開催レポート】よく生きるために、死を考える 〜オランダ安楽死取材報告会〜

先日、大東市のライブラリーBAR 昭和Factoryで、「よく生きるために、死を考える〜オランダ安楽死取材報告会〜」を開催しました。

「安楽死」という、少しどきっとするテーマ。 それでも当日は、16名を超える方が集まってくださいました。医療や介護のお仕事をされている方、終活に関心のある方、そして「なんだか気になって」という方まで。ほんとうに、ありがとうございました。

今日は、その日の様子を少しだけ、お届けします。

満席の会場。「安楽死」というテーマに、これだけの方が関心を寄せてくださいました。

目次

どんな会だったの?

ゲストにお迎えしたのは、ライター・Kindle作家の直見キンドルさん。 2026年5月に、オランダで安楽死協会・ご遺族・実際に安楽死を実施された医師に、直接取材をしてこられた方です。

この会は、安楽死に賛成か反対かを議論する場ではありません。 オランダの「現場のリアル」を知って、それぞれが「自分だったらどう生きたいか」を、静かに考えてみる。そんな時間にしたいと思って開きました。

まずは言葉の整理から。「尊厳死」と「安楽死」——似ているようで、まったく違います。

まずは、言葉の整理から。「尊厳死」と「安楽死」は、混同されがちですが、まったく違うもの。その前提をそろえるところから、お話は始まりました。

昭和Factoryのやわらかな空間で。みなさん、静かに耳をかたむけてくださいました。

オランダの「リアル」に触れて

オランダで安楽死が認められるには、6つの厳格な要件があります。「本人の自発的で、よく考えられた確固たる意思であること」——ひとつずつ確認していくと、それがいかに慎重な仕組みの上に成り立っているかが見えてきました。

オランダで安楽死が認められるための、6つの要件。厳格な仕組みに、みなさん驚いていました。

そして印象的だったのが、法整備の後、15年間で実施された約55,000件のうち、起訴されたものはゼロだという事実。それだけ社会全体で丁寧に運用され、話し合われてきたということなのだと思います。

実施後は、届け出・検視・審査委員会へ。厳格な確認プロセスが取られています。

なかでも、ある日本人女性のお話が心に残りました。オランダで暮らす、国際結婚をされた方。「オランダの家族は、死をあっさりと受け入れているように見える。でもそれは薄情とは違う。生きているうちに、十分に愛を伝えあっているから」。オランダでは、子どものころ(6〜7歳)から死について学ぶのだそうです。

オランダで暮らす、国際結婚をされた日本人女性のお話。「生きているうちに、十分に愛を伝えあっている」——この言葉が、深く心に残りました。

参加された方の声

アンケートには、ひとことでは受け止めきれないほど、たくさんの想いを寄せていただきました。その一部を、ご紹介します。

「自分の人生を自分で決める」、当たり前のようでいて実現するのはとても難しいことだと思いました。安楽死に携わる医療者の葛藤は、凄まじいものがあると思います。

自分自身の振り返りができ、今後の自分の人生と支援について考えることができた時間でした。「どう生ききりたいか、最後のしまい方をどうしたいか」——共に揺れながら、お聴きしていきたいと思いました。

日々、認知症の方々と関わっています。意思決定支援について、自分自身でさえぼんやりとしていて…もっと考えていかなくては、と思いました。つながりを大切にしたいです。

日本では医療者も一般の人も、思考停止に至っているのかなと感じました。本人主体の意思決定を、教育や日常のイベントとして丁寧に扱える取り組みがしたいと感じました。

尊厳が守られるかたちで、最期を迎えられたらいいなと思いました。

自分のことは、これから考えていけると思います。親のことは、できることが限られているので、尊厳を大事にしたいけれど、難しい部分もあります。

和やかな雰囲気の場所で、気軽に聞けました。とても穏やかな会で、素敵な空間でした。

こんなふうに言っていただけて、ほっとしました。 「死」というテーマだからこそ、安心して、やわらかい気持ちで過ごせる場でありたい。そう願っていたので。

あたたかい時間が流れました。

そして、親睦会へ

会のあとは、希望された方で親睦会も。 そこでは、参加者同士があちこちで話し込み、新しいつながりが生まれていました。「死を考える」という入口から、こんなにあたたかい交流が広がっていくなんて。企画した私自身が、いちばん驚いて、いちばん嬉しかった時間でした。

会のあとの親睦会にて。「死を考える」入口から、こんな笑顔のつながりが生まれました。

私が、この会をひらいた理由

私は看護師として、長く介護の現場にいました。 たくさんの方の最期に関わるなかで、ずっと感じてきたことがあります。それは、「人生の最終段階を、どう決めるか」——その意思決定のプロセスが、本当に大切だということ。

安楽死も、尊厳死も、自然死も。 選べる選択肢を、どう自分で決めていくのか。そこには、大きな難しさがあります。 だからこそ、元気な今から、話しておくこと、考えておくこと。それを伝えたくて、この会を開きました。

答えは出さなくていい。 もやもやしたまま、感じたことを持ち帰る。 そんな時間を、これからも大東市で、少しずつ育てていけたらと思っています。

「自分自身を知ること、身近な人と話すこと」。今日から始められる、小さな一歩。

これからも、一緒に考える場を

終活・介護を、暗く重いものにしない。 学んで、考えて、実践する仲間の場づくりを続けていきます。

「こんなテーマで話してみたい」「次はいつ?」——そんな声があれば、とても嬉しいです。 イベントのお知らせは、Instagramやブログでお届けしています。よければ、のぞいてみてくださいね。

最後になりましたが、会場を貸してくださった昭和Factoryのマキプさん、ゲストの直見キンドルさん、そして集まってくださった参加者のみなさんに、心から感謝します。

直見さんのHP

またどこかで、お会いできますように。

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この記事を書いた人

看護師歴26年、地域で暮らす人に寄り添う「まちのケアナース」。訪問同行や意思決定支援、LINEでの見守りを通じて、「自分らしい最期」を一緒に考えています。

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